俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
そんな事は分かっていても、

なんだか舞の心は、嬉しくなっていた。


「ちょっと、舞」

「・・・え?」

オフィスの前、誰かが舞を呼んだ。

振り返ると、そこには加奈の姿が。


「さっき見たよ」

「・・・何を?」


「社長秘書の長嶋さんと、舞が話してる所」

「あ~・・・・」


「何渡されてたの?」

「・・・・」

これはさすがに、加奈に出会っても言いにくい事だった。


「ねぇってば」

黙っている舞を急かすように、加奈は問いただした。


「・・・あれは」

「あれは?」


「落し物を拾ってくれただけ」

「落し物?」

舞の答えに、若干納得がいかない加奈は、眉間にしわを寄せた。
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