俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
「そう、取引先の大事な名刺」

「・・・ホントに?」

また疑ってかかる加奈。


「本当だってば…信用してくれないの?」

言葉ではそう言っていたが、心は穏やかではなかった。


「…そっか、信じるわ。舞の言葉だもん」

「・・・・」

何とか納得した加奈だったが、

舞は申し訳なさと安堵で、複雑な心境だった。


「…ぁ、貴洋先輩」

「?!」

雑談中、加奈がボソッと呟き、舞は肩をビクッとさせた。


「・・・なに?」

舞の反応に、首を傾げる加奈。


「う、ううん、なんでもない。今日は出社してきたわね」

「そうね」


「体調でも崩してたんじゃないかな」

「・・・そうかもね」

舞の言葉に、納得しながら、加奈は仕事に取り掛かった。

舞は心底ホッとした。
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