俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
オフィスに戻った舞は、気を取り直して、

ただひたすらに仕事に励んだ。

何もかも忘れたくて、ただ必死に仕事をこなしていた。


・・・時々目に映る貴洋に、

心奪われる事もあったが、

それでも、また仕事に取り掛かった。


午後6時。

仕事を終えた舞は、身支度を済ませると、

逃げるようにオフィスを出ていった。

そして、舞はある場所に向かった。


『いつでもここへ来たらいい。

オレの名を言えば、必ず入れるように、店員に頼んでおくから』

帰る車の中で、英志に言われていた言葉。


舞はそれを信じ、あの店を訪れた。

「あの、岡崎英志の連れの者なんですが」

小さな声で呟くと、店員は優しい笑顔で招き入れてくれた。


「大高様ですね?」

「・・・はい」


「岡崎様から頼まれておりました。

VIPルームは、岡崎様専用ルームみたいなものですから。

さぁ、奥へ」

店員の後ろをついて行きながら、舞はホッと溜息をついた。

英志の言葉が本当だってことが分かったから。
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