俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
そう言って、英志は逃げるように、書斎に消えた。

・・・しばらく、放心状態だった舞だったが、

料理の途中だったことを思いだし、そそくさと料理を始めた。


…それからしばらくして、出来あがった料理を並べた舞は、

英志を呼びに書斎に向かった。


そして、2人で食卓を囲むが、

さっきの事が、お互い気になってギクシャクしていた。

それをかき消すように、英志は、少しだけ自分で切ったジャガイモの入った

肉じゃがを食べた。


「…美味い」

これがおふくろの味ってやつか?

英志はそう思った。

英志の母親は料理をする人ではなかった。

だから、いつもお手伝いの人が作った料理。


…なんだか心がホッコリする自分がいて、

料理がどんどん進んだ。

英志の食べっぷりに舞は少し驚いたが、

でも口に合ったんだなと思うと、とても嬉しかった。


「おかわり」

「たくさんありますから」

舞はそう言うと、英志の皿を受け取り、

キッチンに行った。
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