俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
そんな舞の顔を見て、英志はその顔を

心の中に焼き付けた。

…もし今ここにいるのが舞の気まぐれなら、

明日突然いなくなるかもしれない。


それなら、一分一秒でも、どんな顔も、

心の中に刻み込もうと思った。


「そんな顔をするな。

俺は何も急いじゃいない。

舞のペースでゆっくり作ってくれればいい

何なら俺も手伝おうか?」

その言葉を聞いて舞は慌てだした。


「いいですいいです!

私一人で・・・英志さんはゆっくりお風呂に入って来てください」

また包丁で怪我でもされたらたまらないと、

そう捨て台詞を吐いた舞は、逃げるようにキッチンの中へ。


そんな舞が可愛くて、英志はフッと笑って舞を見ていた。


それから間もなくして、野菜を洗う水の音や、

リズミカルな包丁の音が聞こえ始めた。


英志はお風呂にはいる事もせず、

ネクタイを外し、ソファーに座った。
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