俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
「父がなんだって言うんですか?

今、父は関係ないじゃないですか?」


少し怒った口調で言った舞。

しかし貴洋はそれを何とも思わない。


「関係ない?・・・関係大アリだよ。

大高専務は岡崎社長の右腕だから。

岡崎社長がつぶれれば、大高専務も潰れる。

君と社長の関係が公になれば、社長がつぶれる理由が

すべて揃うんだよ。

でも、君が今、社長の傍を離れるなら、上には報告しない。

社長の首は繋がるし、大高専務も安泰だよ・・・」


…貴洋が、こんな大事な話を、

舞に話したのには理由があった。


貴洋は、社長が嫌いなわけじゃなかった。

社長を引きずりおろそうなんて、本当は嫌だった。

彼の功績を、何度も目の当たりにしていたから、

社長の代わりなんてどこにもいないとさえ思っていた。


…社長みたいな人間になりたいと、

この会社に入ったのも事実。

英志は、色んな雑誌で取り上げられ、

誰もが羨むほど、すべてを兼ね備えた人物だと言う事を、

貴洋は知っていた。
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