俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
・・・そんな日が何日も続き、

舞は会社帰りも、何も考えられないほど、

疲れ切っていた。

それなのに、フラフラと無意識に歩いて、

自然と足は止まった。


「・・・ここ」

午後7時。

舞がたどりついた場所は、今一番抱きしめてもらいたい人の家。

でもこの時間に、その人がいるわけもない。

彼はいつもこの時間は、まだバリバリ仕事をこなしている。


「…帰らなきゃ」

そう呟いた舞は、溜息をつき、来た道をまた歩き出す。



「…舞・・・なんで」

「・・・・?!」

…バッタリと、出くわすなんて、思いもしなかった二人。

お互い、会いたくて会えなくて。


「ごめんなさい、なんか勝手に歩いてたら、

ここについちゃって」

舞は、そう言って苦笑いすると、踵を返して歩き出した。

…顔は笑ってても、手の震えが止まらなかった。
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