冷房のきいた部屋

裕太があたしの
隣りで深い寝息を
たてて眠る

裕太の腕に
包まれて眠りにつく


目が覚めると

朝の光が窓から入って

鳥が鳴いてる

部屋には苦い
ブラックコーヒーの匂いと

甘い苺ジャムの香り


ふと目に映るのは
あたしのお気に入りの

赤いマグカップで
コーヒーを飲む裕太の姿


裕太があたしに気付く

パタパタと
スリッパの足音たてて
ベッドに近付く


「おはよ〜」

「おはよっ…」

裕太があたしの
長い髪を撫でて
そっと目覚めのキスをする


「ふふ」

嬉しくて笑っちぁう
あたしに

「はは!変態みて〜」

いつも裕太が言う


…裕太の前だと
あたし変態になっちぁうよ


だって…
裕太はそんなに格好いいんだから……


白いスウェット姿も

朝の占いを見る
その横顔も

マグカップの取っ手を
握るその綺麗な指も


裕太のすべてが
愛しい…理性なんて…
要らないよ…



「波由〜お前も
食えよっ!パン!」

「ははは!パンしか
作れないもんね」

「うっせぇ〜」


今日は冷房…

きいてない……




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