白い月~夜明け前のその空に~
第三夜
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星達の賑やかな声とは違う、風に乗って途切れ途切れに聞こえる、静かに響く声があった。
それはいつも見下ろしている、地球から届けられる声だった。
喜びや悲しみ、怒りや寂しさ…、地上から届く声には、一つ一つの思いが深かった。
月は届くその声から、感情というものを知った。
星達の声も地上の声も、聞き漏らすことなく、全てをちゃんと月は聞く。
どんな感情にも、何一つ揺さぶられることなく。
いつも同じたおやかな顔を向けて。