白い月~夜明け前のその空に~



「…何言ってんの?」


「ふりだぜ?付き合うふり。ラブラブな俺達見てたら、あんな噂話どうでもよくなって忘れる。これ、すげーいい提案じゃね?佐野とめでたくホントのカップルになれるかもだし、一石二鳥!」


「本気で言ってんの?」


「おお。超本気!じゃなかったら1時間も待ってねーし。な?秘密で付き合おうぜ」


「う~~~ん…」





優月は即答できなかったが、冗談ではない本気ノリの長澤に了承した。


彼の仮説がどうなるか分からないが、冷めた担任にあれこれ言われるより、長澤の気持ちの方が圧倒的に信じられると思った優月は、不安を抱えながらも、彼の提案に乗ることにしたのだった。








“噂が消えるまでの、偽者カップル。そして噂が消えた頃を見計らって、偽者カップルを解消する。”という実にざっくりしたシナリオだ。








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