白い月~夜明け前のその空に~


そして、次の質問から返ってきた彼女の言葉で、一気に長澤の嫉妬を重ねた推測は加速する…。



「そんな小さい時から一緒にいたんだね、でも今年から一緒に住み始めたって言ってたけど…?」


「うん。家もほとんど近かったけど、5歳の時に私の家族は引っ越したからね」


「そっか…。じゃあ、念願の再会だったわけか」


「念願てほどでもないけどねっ」




ずっと慕っていた兄同然のいとことの10年を越えた再会。

あんなに楽しそうに話す彼女が、再会できて嬉しく思わないはずがない。



むしろ、ずっと会いたかったはずだ。



「嬉しかったんじゃねーの?」


「そりゃあどうしてるかなって思ってたけど…」


「誤魔化すなよ、嬉しかったんだろ?」



頬杖をつきながら真剣に優月を見つめ、問いただす長澤。

幾度となくその真剣な目の後で騙されてきた優月でも、二度も同じ事を聞いてこの時ばかりは彼が冗談で言っているように思えなかった。






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