白い月~夜明け前のその空に~

しかも私泣いちゃったし。…こんなにも早く、お父さんお母さんが星になっちゃうなんてね、あの頃は全然思いもしなかった。親が先に亡くなったって、悲しいよ…。今、二人は見守ってくれてる?
あのね、私ずっと隠してたことがあるんだ。忘れようともしてたんだけど、ダメだった。…もう、誤魔化すのが辛い)


優月はゆっくりゆっくり、星空が移りゆく景色の中、どこかで見守ってくれているであろう両親に向けてしゃべりかけた。



(…私、好きな人がいるんだ。その人はね、お父さんもお母さんもよく知ってる人。……陸なんだ。びっくりするよね?お父さんはやっぱり複雑だよね。お父さんのお兄さんの子供だもん。…ねぇ、もし生きてたら、反対する?…これはやっぱり普通の恋じゃないのかな。
でもね、もう限界なんだ…。みんなにどんどん嘘ついて。巻き込んで。そんなこと、したくないよもう。
…陸が小さい時から好きだった。恋とかよく分かってないくらいの時だったけど、今ははっきり分かる。

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