白い月~夜明け前のその空に~
どうしたらいい…?このまま、隠し続けなきゃいけない?それとも、気持ちが消えるのを待つしかない?分からないよ…。嘘はもう、つきたくない…………)
閉じた瞼から涙が一粒彼女の頬を伝った。
優月はプラネタリウムの投影が終わっても、そのまま座席から席を立つことはなく、目を覚まさなかった。
その頃、優月が嘘をついて出かけているなんて知らない陸達は、それぞれごく普通の日常を過ごしていた。
みんなでショッピングセンターに出かけ、おじいちゃんおばあちゃんは瞬を連れて室内遊園地に行っており、その間陸はスーパーに買い物に行っていた。
一通り買い物を済ませエコバッグに品物を詰めている陸を、遠目から見ている人がいた。
「あれって、もしかして陸お兄さんじゃない?」
「陸お兄さん?」
「優月のいとこだろ?」
「へー、そうなんだ」