白い月~夜明け前のその空に~
第五夜
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星達はみな、地球からの光を不思議に思った。
けれど、月だけがその一つ一つの光の主の声も聞き分けていた。
いつしか月は、その光の声を繋ぎ、物語にしていった。
声が違えば当然物語も違う。
一つとして同じ物語は存在しない。
光の声の分だけ、物語は増えた。
毎晩沢山の声を聞いているが、どれも忘れることも、捨てることもしなかった。
月は全ての声、全ての光を受け止めていた。
それが、月が存在する理由の一つでもあったのだ。