白い月~夜明け前のその空に~
暗くなった部屋で、携帯電話の受信ランプが光っているのに気づく。
画面を見ると、里乃達からのメッセージがやたら届いていた。
学校を休むなんてかなり久しぶりだったため、里乃達の顔が見れないことがやけに寂しく感じた。
とりあえずアプリのスタンプだけ送り、重い頭を再び抱える。
すると、ドアをノックする音が聞こえた。
それは夕飯を持ってきてくれた陸だった。
「おかゆ作ったから。ゆづは梅派だったよな」
陸が看病をしてくれるだけでも、嬉しくてたまらないのに、しっかり好みまで覚えていてくれるなんて、優月は贅沢すぎて重い頭もすっかり軽くなっていた。
ほかほかと温かい湯気が鼻先をくすぐる。
程よい梅のすっぱさと柔らかいおかゆは、見事に食欲をそそった。