白い月~夜明け前のその空に~
「さあな?しゅーん、そろそろご飯だぞー」
(あれ?、何かかわされた気する…)
少し不満に思う優月だが、自分で話を振っときながら、モテまくりな陸を想像すると妙に妬けた。
無愛想を大目に見れば、運動も勉強も料理もできて、顔だっていわゆる塩顔系で、はっきり言って憎たらしいけど、本人の前で絶対言いたくないけど、やっぱりかっこいいと思う優月。
それは小さい時から思っていたこと。
優月の自慢の【お兄ちゃん】だったのだから。
学校ではどんな姿なのだろう。
本人から彼女のかの字も聞いたことがない。
察するに、子供のことは保育園とバイト先以外、周囲に話していないらしいが。
気になることは沢山あるけれど、聞くタイミングもなかなか掴めずにいた。