白い月~夜明け前のその空に~


(……奈々先輩、やっぱりおしゃれでかわいいなぁ…。)



優月はぽうっと、しばし先輩の圧倒的な存在感に浸っていた。









靴下はおじいちゃん、マフラーはおばあちゃん、帽子は瞬、ネックウォーマーは陸とそれぞれ編むものを決めると、早速次の休日は毛糸選びに当てた。


優月はどんな物を編むのか決めるのは、いつも散々悩むが、編む物が決まり、編み出してしまえばあっという間。


その出来上がりの速さと正確さは、会話をしながらでも、編むスピードは落ちず、丁寧に編み上げる、部内誇り高き編み物名人の奈々先輩と、引けを取らないほどだった。








―――。.*゜――。.*゜―――



12月に入り、周囲も本格的にクリスマスムードが漂いだす。



クリスマスプレゼントのことは本人達には秘密だ。





その為、仕上がり具合やサイズ感の確認作業をこっそりする。








< 282 / 465 >

この作品をシェア

pagetop