白い月~夜明け前のその空に~
洗濯物をたたみつつ、おじいちゃんの靴下、おばあちゃんのマフラーを、編み途中のものと見比べる。
(…う~ん。ここは編み方変えてみるか…。やっぱりじーちゃんの靴下はこの色でよかったかな)
「ゆづう、たたんでくれてたのか。ついでにじーちゃんの靴下もらえるかぁ?片方どっかやっちまってなぁ、ははは」
突如おじいちゃんが現れ、手にしてた編み途中の靴下をとっさに座布団の下に押しこんだ。
「靴下?!あ、う、うん!はい、丁度今たたみ終わったから、これ全部じーちゃんの分ね」
重ねた服をおじいちゃんに手渡す。
「さんきゅうさんきゅう。ご苦労さん」
服を受け取ると短く敬礼し、ニカッと笑いながら去っていった。
(…ふぅ。今の感じだと、バレてはないよね。でも、気をつけよう)
去っていったほうを見ながら胸をなで下ろし、座布団から編み途中の靴下を取り出す。
同時進行で進めている四人分のプレゼントは、もう形が見えてきていた。