白い月~夜明け前のその空に~
「ううん。…瞬ちゃん、重くなったね、おっきくなったね。もう2歳だもんね」
瞬がくるんと振り向くと、彼の真ん丸くぷっくりした頬をふにっと触る。
小さなアーチ型に目を細めへへへと笑う瞬。
その目尻をふにゃっと下げる様も、成長してますます父親に似てきている証拠だった。
そんな二人をまた陸も微笑ましく眺めていた。
本当の親子でもおかしくないような、そんな錯覚さえも感じながら。
「ゆづも、早くケーキ食べよう」
「うんっ」
幼い頃以来の優月含めての相園家のクリスマスは、例年より遥かに賑やかだった。
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『じゃあ…、買い物だけ頼んでいい?牛乳切らしてたのよ』
「分かった。他にない?大丈夫?……うん、そっか。はい、はーい。じゃまたね」
授業がたまたま早く終わり、瞬の迎えに行けそうだと、おばあちゃんに優月が電話で伝えようとしたところ、買い物を頼まれることに。