白い月~夜明け前のその空に~
そして何より、陸に隠れてこそこそ調べるということ自体に罪悪感が襲う。
「う、う~ん」
陸がうめきながら寝返りを打つ。
ハッとした優月は落ちそうになったアルバムを慌てて持ち直し、急いで棚に戻した。
足音をさせないように陸と瞬に近づくと、はだけた布団を掛け直す。
いつもと変わらない無邪気な寝顔の二人。
それを優月が幸せと感じるには、程遠かった。
幸せと感じるのはきっと、自分よりも彼らの側にいるべき人が感じることだと。
そう思ったから。
けれど彼女は胸をきしませながらも、共に生活していく中で、幸せを感じずにはいられなくなっていた。
素直に感情を受け止められたなら、過去を密かに知ることに罪悪感を抱くこともなければ、きっとただのいとこ同士に自信も持てただろう。
そもそも自信を持とうなんて、おかしな話なのだが。