白い月~夜明け前のその空に~
淡い心の色…
九月に入って2週間が経とうとしている。
まだまだ夏の暑さは続く。
2階建ての日本家屋の相園家では、朝から年代を感じる扇風機が回る。
「…ゆづ、前から言おうと思ってたんだけど」
「え、何何?あらたまって、険しい顔して」
「そんな短いスカートで、あぐらかくな。みっともねーだろ」
そう言われてちらっと、自分の足を見る優月。
「……。えー、いいじゃん。楽だし」
「だめだ。あ、まさか学校でもそんな格好してんのか?」
「たまに?」
キッと鋭い眼差しが優月に向けられる。
丸い卓袱台を囲んだ朝食中、陸はまるで厳格な父のような態度。
「もー、何で陸にそんなこと言われなきゃいけないの」
「お前のためを思って言ってんだ。女の子なんだからもっと女の子らしくしろ」