白い月~夜明け前のその空に~
男の子達が角を曲がり、見えなくなった後、でこぼこ穴と泥だらけになった日陰の残りの雪を見た。
「…あーらら」
さっきまでのまっさらな状態を思うと、無残な姿だ。
でもきっと、そんなものなのかもしれない、いつまでも変わらないままなんて有り得ない。
羨ましかったさっきまでの気持ちもろごと崩れ去り、現実を重ねてがっかりもしていた。
それでも、楽しそうに夢中になって雪を触っていた子供達を思い出すと、不思議にそんなに肩を落とすこともなかった。
あの子達のように、いつか瞬も大きな雪だるまを作るのかもしれない、そんなことを思ったりして、微笑ましく感じたのだった。
昼休み、なんだかんだ言って、里乃カップルと優月長澤の四人で食べていることがほとんどで、里乃達が二人きりで過ごすことはなかった。