白い月~夜明け前のその空に~
陸の過去の真実を知り、自分が抱いている感情に、さらなる罪悪感が包む。
覚悟して理解していたはずでも、胸の痛みは止まる気配はない。
それでも…
「私、陸が好き。ずっとずっと好きだよ。きっとこれからだって変わらない。だけど、苦しいのも本当。このままでいたら、多分どこかで崩れちゃう気がして、怖い」
言いたくても言えなかった胸の内を、ありったけぶつける。
陸は優月の前に向き直り、鋭い視線を注ぐ。
「これは、勝手な俺のわがままだって思ってくれていい。…俺は優月に傍に居て欲しい。一緒に暮らして行きたい。一緒に、瞬の成長見守って欲しい。俺は、優月の気持ちごと全部守っていく、その気持ちでいる」
彼の熱い眼差しは、優月の震える胸を照らす以上に、熱く焦がすようだった。
「私も、瞬ちゃんの成長見守っていきたい…。一緒に、いたい」
「なら……」
優月は下を向いて首を振り、伏せた目からゆっくり陸に視線を合わせる。
「傍に居ることを好きでいることを許されるなら、誓おう?……今日が最後にしよう。『好き』って伝え合うのは」