白い月~夜明け前のその空に~
当たり前だ。
二人は家族同然なのだから。
でも、優月の心は納得させなかった。
陸の言ったことが嬉しくも寂しくも感じた。
何でこんな気持ちになるのか、理由はとっくに分かっていた。
その理由、心の奥に押し込めていた気持ちこそが、『彼氏ができたら…』なんて、試すようなことを聞く原因でもある。
そんなことをしたら、自分で閉じ込めた気持ちの存在を、余計に認めざるえなくなると分かっていながら。
鍵までかけて閉じ込めたその始まりは、彼女が幼い時にまで遡る……。