白い月~夜明け前のその空に~
心の影…
朝から不慣れな化粧をし、若干疲れた表情を浮かべる優月は、買ったばかりのフレンチスリーブのニットにタンクトップを重ね、下はデニムのスキニーといういつもより少し大人びた服を着て駅前にいた。
肩につきそうでつかない微妙な髪の毛も、片側だけ編みこみした。
家を出てからもう3回目の化粧、髪の毛チェックの手鏡。
鏡に映り込む彼女の顔は、先ほどの疲れた表情は消え、今はどことなく嬉しさも滲ませている。
「ゆづー!お待たせー」
数分後、学校にいる時と変わらないはっきりした声が聞こえてくる。
「おはよー、里乃。…やっぱ里乃は攻めてるね」
「えー?たまにはゆづも、冒険しなよーう」
里乃の私服は優月と正反対で、結構大胆路線をいく。
今日はノースリーブのブラウスに、ショートパンツ。
肌が出ている部分がほとんどだ。