結びの魔法
「・・・。これから何をするか教えてもらってもいいですか?それにここはどこなのかそろ

そろ種明かしをねがいます。それに、あなたはいったい―。」

たまっていた疑問が今度は一気に流れ出る。ルゥさんは目を細めて溜め息をついた。

「そなたらは質問ばっかりだね。真実は自分で調べぬくものだよ。氏もそうやって生き

てきた。それにそなた。そう、おまえ。そなたはなぜさっきから殺気を放ってるの?」

そう言って、秀に向けてまた手をかざす。

「いえいえ、見知らぬ土地ではそれが当たり前でしょう。自分以外は全員敵と考えても

飽き足りません。」

そうスパッと言い切る。確かに秀は警戒深い。

「くっふふぅ~。言ってくれるね、小僧。おぬしは世の原理を分かってる。」

そう言って、口の端で笑った。そしてかざしていた手の指をぱちんと鳴らす。すると秀

の髪がゾゾゾッとのび腰にかかるくらいまで伸びた。そして勝手にオールバックに結ば

れた。

「なっ!?」

秀は赤面して髪を触る。僕らも珍しがって秀の髪に触れてみる。秀の髪はとてもサラサ

ラしていて激しくお花の香りがした。

「なかなかではないか。ふぅーむ、こうなるとそちらの二人も付き合わなくてはな?」

僕らはギクッと効果音が出そうな仕草をした。けれどもう遅かった・・・。体が石のように

動かない。見るとルゥさんの手はいつの間にか僕らの足にかざしてあった。

「くっふふぅ~。まずこのおちびさんから。んー・・・、そうだ!」

何かをひらめいたらしく楽しそうに手をかざす。すると陽が急に笑い出した。

「く、くくすぐったいぃいいぃ・・・!!あっはっははぁ、やめっ、やめぇ!」

そう叫びながら転げまわっている。

「・・・ハァ・・・はぁ・・・。」

一分後、普通に戻った彼の髪はやはり少し伸びていて、美しくウェーヴ&外カールした

肩にかかる程度の髪になっていた。そしてもう一つ違和感が・・・。

「何じゃこりゃーー!?」
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