みんな仲良いよね、そうゆーこと。
「おべんとっおべんとっ嬉しいな~♪」
「あーそれ、幼稚園の頃歌ったなぁ。懐かしい」
「今日のおべんとはぁ~…じゃーん!よっしゃ唐揚げーい!」
「…おまえ本当に唐揚げ好きなぁ」
「もち!あたしのこれは好きなんて甘っちょろいもんじゃない!唐揚げなら一日三食イケる、なんてゆー使い回された言葉では表さないよあたしの唐揚げ愛は!いや実際マジでイケるけどね!」
「で?じゃあなんて言葉で表すんだよ」
「…あのね、あたしにとって唐揚げは生命力な訳だ」
「せ、生命力って…よく分かんないけど大きく出たな」
「まず唐揚げがそこにある、食べる。これはごく自然な事。だがそこに食への喜びがプラスされたら…?それを食す事によって、その一口によって、あぁ、何て素晴らしいんだ、ここまで生きてきて良かったと、生きる意味すら感じられたとしたら…?」
「いや、それは流石に大袈裟だろ」
「大袈裟…?この思いが大袈裟だと?今日も辛く険しい日常を乗り越えて迎えた先に存在する、マイ ベスト フェイバリット フード イズ カラアゲ! を口にした瞬間の喜び、それを生きる意味と等しく思う事を大袈裟だと、君はそう言うのかね⁈ 」
「まぁその言い分だと実際、弁当なら何でもいいんじゃないかと思える俺がいるもんでね」
「ノンノン!そこに唐揚げがある事こそ、あるからこそ生まれる奇跡なのだよ!もう揚げてくれてなくてもいい!チンしたやつだったとしてもいい!実際弁当以外の二食、合計三食唐揚げでもいい!唐揚げならいい!唐揚げなら一日三食イケる!」
「はい残念。そのフレーズアウトー。てことでいただきます」
「…は!そうか、結局このフレーズは世にある言葉の中で最上級の好物を示す言葉だと、そういう事なのか…」
「はいはいそうだねそーゆー事。だから早くそのキャラやめろな、なんかウザいから」
「じゃあ次は唐揚げの中でもあたしの好きな種類の話でも…!」
「いや、いーよ。いーからさっさと食べろよ」