みんな仲良いよね、そうゆーこと。


「あーもう分かったって。あまりの衝撃にツッコミのクオリティ落ちてるから気をつけなよ、水森の唯一の仕事なんだから。で?締めは?」

「締め?…『だから、冴えない人生に絶望しないで、これからも頑張って下さい。私はずっと陰ながら見守ってます。ずっと、ずっと…』…って、絶対これヤバイやつじゃねぇの⁈ 陰ながらってこれ、つまりこれ自分で宣言しちゃってるよな⁈ 」

「何?失礼だよ、好きだって言ってくれてる人に対してそんなの。こんなに熱い想いを向けてくれてるのに」

「…い、いや…だって…」

「水森みたいな奴には勿体無いって。ストーカーにだって有り難みをだね、」

「言ったな⁈ やっぱりストーカーだよな⁈ これストーカーじゃねぇか!」

「それの何が悪い!」

「!、悪いだろ!気味悪いだろ!しかもなんだよこれ、結局俺一言も褒められてない!」

「褒められてんじゃん。良いって言われてんじゃん、好きって言われてんじゃん」

「おまえの脳ミソどこにあんだよ、内容よく見ろ、理解しろ!」

「いやぁ、妬けちゃうなぁ。あたしの他にもこんなに水森の良いとこ知ってる人居たんだなぁ。いやぁ、思わぬライバル出現って感じ!」

「おまえが二人とか絶望すら感じる!」

「でもやるねぇ、ほんと。こんなに熱い文章だとは…まぁ文書くの好きだって言ってたし、それだけ水森に対して想いが溢れてたっていう、」

「おい」

「?」

「今なんか、知ってるような口振りだったな」

「……えぇ〜?何が〜?」

「誤魔化すの下手か!やっぱおまえじゃねぇか!おまえの差し金か!」

「まぁ!差し金だなんて人聞きの悪い!ただあたしはすごく良い人材が埋もれてたから、それはもったいないなと、もっと輝けるのにと、そう思ってだね…」

「こんな人材掘り起こしてくんな!危険過ぎる!」

「!、水森、もしかしてあたしの事心配してくれてんの…?」

「ちげーよ!俺の身の心配だっての!」

「まぁでも、やっぱり恋する乙女を応援したくなっちゃうのが女子の宿命ってゆーか。ここはあたしがやるしかないってゆー責任感にかられたってゆーか」

「その責任感を他で活かすべきだと俺は思うけどな、積極的にな!」

「だから紹介するって言ったんだけど、恥ずかしがり屋で眺めてるだけで良いってゆーからさー」

「怖っ‼︎ 」

「そしたらせめて手紙でもって、それならって事になった訳。それが昨日」

「早い対応だな、某オンライン通販会社もビックリだ」

「知ってた?水森。この学校ね、結構良い人材揃ってんだよね。今度みんな紹介するからね!」

「いやいいって」

「大丈夫!みんな良い人だから!水森がフツーで地味で詰まらない人間でも全然気にしないから!絶対受け入れられるから!」

「いいっつーの!逆に受け入れられない方が嬉しい!」

「あぁ、これからが楽しみだね…!水森の人間性も変わると良いね!」

「…どんだけボロクソ言われんだよ俺は」




ラブ的要素はあるはずのレター


つーかこれ結局誰からだったの?名無しとかマジでリアル…

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