みんな仲良いよね、そうゆーこと。


「荒し回って目を輝かせて可愛くない事言って我が物顔で歩いてる、それが藤野だ。それが俺の知ってる藤野だよ!らしくない、らしくないぞそんなの…そんな藤野なんて、俺は、俺は…っ、」

「……」

「もう嬉しくてたまらない!これで悩みが3つは減った!」

「だろうと思ったよ」

「……」

「でもまぁアレだな。藤野がこんなに静かだと…アレだ。アレだよな」

「いや、アレだと言われても」

「アレだよ、まぁ何ていうか、その…ほらアレだ、調子出ない…っていうか」

「……」

「……」

「調子狂うんだよなぁ…やっぱり藤野には藤野でいて欲しいっていう気持ちがさぁ、ほら俺って結局はやっぱりおまえらの担任だし、おまえらの事何より愛してるじゃん?そういう気持ちやっぱ大事にしちゃってるとこあるからさ、」

「……」

「……」

「だから藤野にも、いくら俺の悩みの種の藤野でも、話も通じなくてどうにも出来ないって諦めてた藤野でも、本当はこのまま大人しくしてろと心から願ってる藤野でも、それでもやっぱり元気になって健やかな学校生活を送って欲しい、そう思うんだ。教師の鏡の俺としてはな!」

「本音漏れてますけど」

「……」

「だから藤野…悩みがあるなら言ってみろ、俺が聞いてやる。何か悩んでるんだろ?そうだろ?そうなんだろ?」

「そして何故か悩んでるの一択」

「それでみんなに言って回るんだぞ、うちの担任が悩みを聞いて解決してくれたって。出来れば職員室の前なんかで言ってくれると有難い」

「……(やっぱりか)」

「さぁ藤野悩みを言ってみろ。言うんだ、さぁっ、さぁっ!」

< 38 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop