みんな仲良いよね、そうゆーこと。


「……(もう何も言えない)」

「…悩み…」

「!」

「!、ふ、藤野⁈ 」

「…悩んでる…そう、あたしは今、猛烈に悩んでいる…」

「そ、そうかっ、そうなのか、そうだったのか、そ、」

「…(あぁ、本当に本人悩んでて戸惑ってる大人がここにいる)」

「…やっぱりあたしが思うのは、主人公は自分だという事。自分は常に主人公だという事」

「…そ、そうだな。おまえは常に主人公だよな、そうだよな」

「…(これはとりあえず同意するという大人の対応)」

「だからあたしの気持ちが主人公の気持ちと重なって、最後にあたし達は一つになる。気づけばそこに居るのはあたし。画面の中にいるのはあたし。世界を救ったのは、幼馴染みを助け出したのは、運命を変えたのは、紛れもなくこのあたし!」

「…う、うんなるほどな」

「…(これは意味分かんないけど一応相槌を打っとこうっていう常識的な対応)」

「漫画でもアニメでも小説でも、いつの間にか入り込んでる事ってあるよね、それがこの“主人公はあたし現象”。でもあたしが特に着目したいのは…そう、ゲーム。特にRPG」

「……」

「…(そして理解不能な問題と判断し、無言で時が終わるのを待つ事にする。いわば悟りの境地への第一歩。先生、分かります。でも…気は抜けませんよ)」

「RPG、その主人公のタイプには大きく分けて2パターンがあります。一つは自分の思いをガンガン声に出していく、性格や口癖などがしっかり確立しているタイプの主人公。熱血系、クール系、不思議系、控えめ系、僕はこんな人です!こんな僕がこんなことをします!それを自ら積極的に押し出していく、それがあなたの操る僕です!を始めから教えていってくれるタイプのヤツです。物語もそれを中心に回って行って、選択肢なども勝手にキャラが決めたりします。こんな僕がこうしますの物語が中心なのでね」

「……」

「……」

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