みんな仲良いよね、そうゆーこと。
「ふ、藤野?藤野か⁈ よくぞ戻って来てくれた‼︎ 」
「先生よく見て、俺は嫌な予感しかしない。アイツ手にゲーム持ってやがる」
「あのねせんせー。あたしほんとは分かってた、いつかこの時が来る事を。ここまで来れたのはせんせーのおかげなのに最後の最後を目の前にした今、ここでせんせーとお別れする事になるって事、ほんとはずっと分かってた」
「え、何?何の話?おまえどっか行くのか?」
「訳分かんない事言われてんのに先生のおかげとか言われたら聞く耳持っちゃうんですね」
「ほんとに悪かったなって思ってる、あたしのせいで台無しにしちゃって。技4つ、全部埋めちゃった時はほんと罪悪感で一杯だった。でもあたし達が進むにはそれしか無かった…!」
「…技?」
「あぁ、読めてきた」
「というかぶっちゃけると始めからそういうつもりだったとこもある。だからせんせーって名前にしたんだった。だってあたしのために覚える技全部犠牲にして、必要な時にはいつでもどこでも呼び出されて、それなのに毎回すぐ帰されて最後の時ももちろん絶対一緒に行けない、そんなとにかく都合良く使われてくれる所がせんせーそっくりだったから!せめて名前だけでもつけようと思ったらやっぱりその名前しか思いつかなかった!」
「……」
「……」
「ありがとうせんせー!すごく素敵な秘伝要員だった!バトルに一回も出さなくてごめん、ゲットした時から1レベルもあげてなくてごめん!でもあなたにすっごい助けられたあたし達は成長して今、四天王に挑戦してきます!ありがとう!」
「おいちょっと待て。今からって言ったか今からって?おまえ今から何処に行くって?何に挑戦するって?」
「四天王ですね。完全にポケットに入るモンスターのアレですね」
「チャンピオンロードの時のせんせーの輝きはハンパなかったよ…ついに今から挑戦かぁ…おっと武者震いが」
「…うん。そうかポケットのね、武者震いな。まぁとりあえず席に着こうか藤野、そこはまだ教室の入り口だから。先生はまだおまえに安心してないぞ」
「……」
「え、何その目?ちょっと水森通訳!」
「“何だコイツ、何言っちゃってんの?”ですねコレは」
「!、なんで⁈ なんでだよ藤野、俺は正しい!席に着いてくれって言ってるだけだろ俺は!そんな冷たい態度やめて!」
「いやだってさ、今から行くって言ってんじゃん。席座ったら授業じゃん、出来ないじゃん、分かんないの?」
「おまっ…だったらなんで戻って来たんだよ!」