みんな仲良いよね、そうゆーこと。
「そしてもう一つが、全く主人公が喋らない、どんな人間なのかも始まった時点でサッパリ分からないタイプの主人公。このタイプの場合、周りのキャラに君はこうだよね!こういうタイプだよね!という言葉をもらいながらあぁ、そうなんだ。僕はこういう人間かなるほどとプレイしながら知らされていきます。しかし結局本人が喋らないので操作する側としてはそんな薄いキャラ設定すぐ忘れますね、選択肢も印象に薄いはい、いいえ、いく、いかない、みたいな。まぁこの場合キャラ設定なんかが物語に支障をきたさ無いので忘れても特に問題はありません」
「……」
「……」
「で、ここで本題です。結局の所どちらのタイプがより一層入り込みやすいのでしょうか。どちらのパターンが一番プレイしてて主人公はあたし現象に陥りやすく、主人公になりきってやりきった感が顕著に現れるのでしょうか。はい、先生の答えは?」
「!、えっ、えっと…」
「…(これが藤野必殺、答え求めたがり。…からの、)」
「そうですね、後者の主人公が喋らなタイプだと思いますよね、プレイしている自分の気持ちに邪魔が入りませんもんね、あたしもかつてはそう思っていた頃がありました。そんな若かりしあたしもそこにいました。でもですね、しかしですね、違うんです。違うんです!」
「あっ、そ、そうか…う、ん」
「…(でも返事は求めていません、これなんですよ先生。忘れてましたか?藤野は自分が基準なんです)」
「もちろん、喋らない方はまんまあたしになっていきます。あたしの気持ちであたしの思う様に動いていき、あたしの力でエンディングを迎える、その達成感はこちらの方が大きいでしょう。だがしかし、です。前者のキャラが強い方。始めからずっとあたしじゃない知らない誰かをプレイして、最後までし続けてきたはずなんです。なのに可笑しい、何故か最後には熱血系の自分がそこにいる。最後には一緒に涙を流してる自分がいるんです、何故か!同感なんてものじゃない、これは共感!シンクロ率100%!あたしとあたしの幼馴染みが向こう側で笑ってる、そんな現象が起こってるんです!さぁどうだ、どうなんだ?どっちがあたしだ、どっちがあたし向きだ、どっちが面白いんだ⁈ 」
「……」
「…(…大丈夫、そろそろ終わりです、先生)」