みんな仲良いよね、そうゆーこと。


「…え?」

「な、なんだよ」

「あぁ、なるほど!あいやー盲点だったわ」

「?」

「つまりはさ、水森を僕に格上げすれば全て解決って事ね!そういう事が言いたいのか!ちょっと遠回し過ぎてわかりづらかったぞこの野郎!」

「は⁈ そんな事っ…って!格上げっておまっ、」

「でもなぁ、残念だけど水森にはあたしの僕として絶対的に足りないものがある。そう。それは忠誠心。忠義心。あたしの手足となれる事への感謝の気持ち」

「当然んなもん1ミリも持ち合わせてない」

「だからいつまで経っても都合の良い他人止まりなんだよねぇ、こんなんじゃ僕への格上げははるか先の事だぞ」

「一生来なくていいけど結局良いように使われるポジションなんだよな本当」

「まぁあたしとしても?こんな地味で冴えない何の取り柄もないフツー極め過ぎて存在感ゼロの僕なんていりませんが?でももしどうしてもって言うなら考えてやらない事もないけど?ん?」

「流石にキレんぞおい」

「てかやっぱさ、あたしの僕なんだからもちろん華やかで第一線を常に走り続けるような人間であるのは当然の事だよね。そしてあたしに仕える事への喜びに打ちひしがれるような精神の持ち主でないと無理。だって私は心底尽くされたい。あたしの為になんでもしてもらいたい。そしてそれが互いの喜びに繋がる幸せしかない優しい世界を築き上げたい」

「わぁ、なんて恐ろしい世界」

「ねぇ水森お願い。居ない?何処かに居ない?超絶イケメンなハイスペック持ちのあたしへの愛に溢れる人間」

「……(ん?超絶イケメンでコイツへの愛に溢れる…?)」

「ねぇ、聞いてんの?水森のくせにシカトか?あ?良い度胸だな」

「見つけたわ、おまえの僕」

「あ?見つけた?…へ?見つけた⁈ 」

< 45 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop