佐々倉のカノジョ。
夏のひまわり
「「あ」」
ぶつかる視線に少し戸惑う。
突然だが、ここは近くのファミレス。
暑さをしのぐため、やってきた。
あいにく部屋のクーラーは壊れるし、ツルん家は家族旅行だとかで使えないし。
てか、ヤンキーモドキのくせに、家族で旅行とかありえないだろ。
親と仲良すぎ。
あー、てか、んなこと考えてる場合じゃねぇな。
なんせ目の前には、ファミレスの制服を着たあの西野璃乃。
あれ以来別に連絡取ったわけでもないし、こいつの友達(俺の彼女?)ともなんにもないし。
まぁ別にいいか。
「あ、こ、こちらにどうぞ…」
通されたのは、四人掛けの席。
おいおい、そろそろ昼時で混むのに俺一人をこんなとこ座らしていいのかよ。
っていう意味で璃乃を見つめるも虚しく、
「あ、水持ってきます!」
いや、ちがうんだけど。
まぁいいか。
座って、スマホの画面を見れば、11:24の数字。
やっぱ混んできてんじゃん、バカかアイツは。
とりあえずジュース、と、ボタンを押そうとしたとき、
「私もいいかなっ?」
私服姿の、璃乃がそこにいた。