佐々倉のカノジョ。
頼んだ料理が届いてからも、ころころ表情の変わる璃乃が面白くて、ずっと笑ってた。
すると、璃乃は不服そうに
「もう、私の顔見て笑わないでよ!」
と可愛く言うもんだから、俺はまた笑ってた。
「つーかお前、こないだは敬語だったのに今はタメだな」
「あ」
ハッとしたように、口に手を当てる璃乃。
気づいてなかったのかよ(笑)
「嵐くんが、思ってたより優しくて、話しやすかったからつい…」
「俺、別に怖くねーよ?」
「…」
「なんだその疑わしそーな目はよ」
わかってるよ、この髪だろ?
視線がそこにあるもんな。
俺は出来るだけ璃乃に顔を近づけて言った。
「金髪だからって勝手に見た目で決めんなよな」
怯えるかと思いきや、
「うん、そうだね、嵐くん優しいし」
うんうん、と、しきりに頷いていた。
「…ちょーし狂うわ…」
「なにか言った?」
やだ、俺コイツ、純粋すぎて苦手だ。
どうすりゃいいのかわかんねぇ。