佐々倉のカノジョ。
―――――「あ、もう4時だ」
璃乃が時計を見ながら呟いた。
いや、まだ4時だろ。
お前は小学生か。
さっき自分で苦手だって思ったくせに、話が弾みまくって、あれから、4時間ぐらいはたってる。
なんだろうな、この不思議な落ち着く感じ。
「帰らなきゃなー…」
とか言いながらテーブルに突っ伏して、全く帰る気のない璃乃。
「何お前、早くない?小学生でもまだ遊んでるぞ」
「うーん、家帰って、ご飯作らないとなのー」
「へぇ…」
話の中で、弟、妹が一人ずついるとわかったんだけど。
そいつらのためかな。
財布を後ろのポケットから取り出しつつ、立ち上がると、璃乃がきょとんとした目で俺を見た。
「帰るんじゃねぇの?」
「え、嵐くんはここにまだいるのかと思った」
「お前送ったら家帰るよ」
こいつが心配なわけじゃねぇし。
またこの間みたいに、襲われたら危ないからだ。
ん?これって心配してるってことなのか?
あーもう、なにをこんなに考えてんの俺。
らしくない。