佐々倉のカノジョ。
「ただいま」
「あ、大空。よかった、丁度できたとこだよ」
ダイニングルームに行くと、幼児用の椅子に座った茜と、料理を並べる璃乃がいた。
「からあげと冷やし中華か」
うまそーじゃん。
料理よくすんのかな、共働きで親もいないみたいだし、親関係が複雑そうだしな。
「どーぞ、あ、嵐くんはここに」
「あぁ、サンキュ」
スッと椅子を引いてくれるから、そこに座る。
向かいに茜がいて、その隣に大空が座る。
まぁ、璃乃が俺の隣になるわけで。
大空がチラッと俺を見たから、面白くて笑えた。
「どしたの?」
「いや。大空に聞いてみ」
「なんでもねーよ」
つーか、俺、この家族に馴染みすぎだろ。
初対面だぞ。
ずるるっと麺をすすっていた茜が、ニコニコしながら、
「お姉ちゃんとあらし、ふうふみたいだねーっ」
「!?」
「そうか?」
平然とする俺の横で、目を点にする璃乃。
コイツらホントおもしろい反応するよな。
見てて飽きねぇ。
「もう、茜ったら」
「えへへー」
今日はコイツらに癒されて帰るか。