佐々倉のカノジョ。
変わる世界 side:嵐
イタズラ心
「あーあ、なにムキになってんだか」
大空が出ていった玄関を見つめながら、俺は呟く。
璃乃が可愛い仕草してたからキスしただけだし。
まぁ……、ほかにもあるのかもしれないけど。
「んん……」
俺らが揉めている間に、璃乃は寝ちまったらしいな。
お子さまには刺激が強かったんかな?
「さて、帰るか」
大空もどうせあの公園だろうし、すぐここに帰ってくるだろ。
「あらしく……」
「?」
寝言か?
ホントに言うやついるんだ。
俺はぽん、と璃乃の頭を叩いて、茜の様子を見に行く。
結構放置しちまったな。
かちゃ、と扉を開くと、茜も床に転がってすやすやと寝息をたてていた。
「ったく、似た者姉妹かよ……」
茜を抱きかかえて、璃乃の隣に寝かせて、俺は西野家を出た。