佐々倉のカノジョ。
「彩佳、コイツだぞ?昔、俺の彼女とったやつ」
気味の悪い笑い声を出すそいつ。
「え?そうなの?」
「おい、今は俺の妹の彼氏やってるんだろ?優しくしろよなー」
ふざけるな。
俺の彼女を取ったのは、てめぇだろうが。
コイツの性格は昔からひとつも変わってやなしない。
屑のまま。
俺は立ち止まり、振り返った。
「付き合うなんて言った覚えはねぇんだよ」
「!?」
うざいうざいうざいうざい。
「てめ、人の妹泣かすとはいい度胸じゃねぇか。てめぇも泣かしてやる」
「は、シスコんかよ。潰せるもんならやってみろよ」
あれから何年たっただろう。
俺はこいつと変わらないぐらい身長も伸びたし、喧嘩だってしてきた。
負ける気がしねぇ。
なぜかそいつは、俺を挑発しておきながら、攻撃をしようとしない。
おかしいと思いながらも、怒りで頭が働いてなかった俺は、思いっきり一発目をお見舞いした。