佐々倉のカノジョ。
そんなこんなで、午後9時。
俺たちは、俺のアパートの前の茂み……つか、垣根って言うのか?
に、潜んでいた。
「大空たちに連絡したか?」
「うん、冷凍のパスタ、チンしてって言った」
「あそ」
まだ9月。
あぁ、今日は新学期だったか。
停学中の俺には関係ないこった。
「なぁ」
「なぁに?」
「近ぇよ」
「あっ」
うん、まだ9月なんだよ。
なのにさっきから璃乃は俺の腕にぎゅっとしがみついて、ぴたっと身を寄せている。
「ごご、ごめんね、離れる、ます…」
さっきから言葉おかしいし。
「なに?」
「え、ええ?オバケなんていないよ、あ、嵐くんたら、お子さまだなぁー」
あ、オバケ怖いのか。
お子さまはどっちだよ。