佐々倉のカノジョ。
「ちょーどいいとこに来たな」
「っひゃ」
渚は璃乃の首に腕を回して引き付け、持っていたナイフを璃乃の首辺りに突き立てた。
「!、てめっ…」
「コイツを殺されたくなかったら……わかってんだろうな」
「…」
色々と面倒なことになったな…。
このままじゃ璃乃はほんとに殺られちまうしな。
俺が数秒考えをさ迷わせていると、そこへとある人物がやってきた。
「よーっ、嵐ー!んなとこでなに突っ立って……って、えぇ!?」
「……ツル」
なんつータイミングで……。
だけど、これで戦力が増えたな。
「ツル、つべこべ言わずに聞いてくれ、アイツから璃乃を取り返せ」
「わかるわそんなもん見れば!!」
「うるせぇ騒ぐな近所迷惑だ」
「理不尽だなほんとにお前は!!……まぁ、騒いでる余裕もないしな」
ツルの目の色が変わる。
ケンカするときの目だ。
「いっちょやるか!……と言いたいとこだけど、」
「なんだよ、殺れよ」
ツルは親指を突き立てるとそのまま後ろに向けた。
「ほれ」
「警察だ、動くな。そこのものは直ちに刃物を下ろせ」
「!?」
警察!?
「なっ、まじかよ、ちくしょっ!!」
渚が璃乃を突き飛ばし、逃げだした。
その衝撃といろいろなショックもあってか、璃乃は倒れ気を失ってしまった。