佐々倉のカノジョ。
ベッドの上 side:璃乃
ヤクソク
「…ん」
なんだろう、頭がすっきりしない…。
視界が霞んで見えるなか、ゆっくりと目を開けた。
「あ、璃乃ちゃん。おい嵐ー!嵐ー!?
璃乃ちゃん起きたぞー!」
「うっせぇな聞こえてんだよボケ」
「はぁっ!?お前が散々心配そうな顔……ぶへっ!!」
部屋のドアを開けて入ってきた嵐くんは和哉くんを部屋の外に出してしまった。
そしてそのあとに聞こえるカチャ、と施錠の音。
「大丈夫か?」
「えと…、一応…。ここは?」
「ん?俺の部屋だけど」
ベッドから体を起こしてみると、確かに見たことのある家具たちが……。
「え、なんで私…」
昨日、あれからどうしたんだっけ?
あの男のひとに確か首を……。
「お前倒れたんだよ、まぁ心配なさそうだったから寝かしといたんだけどよ」
「そうだったの…」
あれ、そういえば?!
「ね、ねぇ!彩佳のこと……」
私が言い終わる前に嵐くんが口を開いた。
「アイツはただ気絶させただけだ。ったく、出てくんなよ危ねぇのに……」
「だって私…」
いきなり強く抱き締められた。
息をするのも忘れるくらいに。
「マジ心配した……」
そしてかすかに聞こえた嵐くんのそんな呟き。