佐々倉のカノジョ。



「……は?」


たっぷり10秒はたったあとに、嵐くんはそう一言だけ洩らした。


「……~~、好き、なの」


その空気に耐えられず私がもう一度言うと、今度はガバッと抱きつかれた。


「え、えっ?」


「俺も」


……俺も?

「たぶん、お前のこと……好きだ」


「たっ、たぶん??」


「いやちげーよ、そういうことじゃなくてだな、その」


うわぁ、こんなに慌ててる嵐くんは初めて見る。


「なんつーか、まだ自分の気持ちに整理がつかないっつーか」


「じゃ、じゃあ、返事はまた今度…」


「いや、お前みたいのほっといたら何するかわかんねぇし」


ど、どういうこと?

私そんなに危なっかしいかな?



< 52 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop