佐々倉のカノジョ。
すとんっと降ろされ、嵐くんは奥から布を引っ張ってきて、それを敷いて床に寝転ぶ。
そんな薄い布敷いたって痛いでしょ…。
しかもなんで布なんてものがここにあるんだろ。
きっと気にするだけムダなんだろうなぁ。
昇りかけの太陽が、嵐くんの髪を照らしてキラキラと透けて見える。
嵐くんは目を閉じて完全に居眠りモード。
「私をほっとかないでよ~」
私はさっき降ろされた位置、つまり戸の前から動いていない。
廊下からはさっきまで聞こえていた話し声がなくなり、しーんと静まり返っている。
……なんだかこうして静かだと、私しかいないみたい。
「嵐くん?」
ほんとに寝ちゃったのかな。
私をほっとくなんて、もう。