佐々倉のカノジョ。
「っちいなぁ~」
「ガキならガキらしく外で蝉でも取ったらどうだ」
「お前と同い年だけど!?一緒に蝉取りいくか!?」
「っあー、この暑い中大声出すなよ。暑苦しい」
「言っとくけどお前のせいだからな!!」
商店街と言ったって、ほとんど人のいない、シャッター街。
俺らが用のあるのはその先。
いつも通り、そこに向かっていると、きゃぁっ、という女の悲鳴が聞こえた。
「昼間っから誘拐か?」
「んなわけないだろ」
声のしたような路地裏を見ると、
「っ、うぅっ、…」
泣きじゃくる一人の女と、そいつに群がる二人の男。
「あー、やっぱ暑いと頭変になるんかな?」
「お前は常におかしいけどな」
「うっさい!…、俺、行ってくる!」
言うが早いか、二人組に向かって飛び蹴りをしようと走り出すツル。
まぁ、ケンカは強いし問題ないか。
そんなこんなで、俺はアイツらの見える日陰へと避難。
「あぁ!?んだよてめぇ、ガキはあっち行ってろ!!」
どう見たって同い年くらいだよなー、ツルと。
身長ないって可哀想だな。