佐々倉のカノジョ。
「……っぷは」
「なにこんなんで息切らしてんだよ」
「だってこんなの今まで…」
「お前がいけねぇんだろ」
な、なんで私?
首をかしげる私をよそに、嵐くんはまた寝ようとしていた。
もう、また私を放置する気だ!
でも近づくとまたなんかしそうだしなぁ。
私は結局嵐くんから少し離れた位置で、体育座りをしていた。
始業式出とけばよかったかなぁ。
でももう、そろそろ終わるかな。
廊下のほうが騒がしくなってきたから。
私は立ち上がってドアに向かい、少し開けて体育館のあるほうを見てみた。
あ、ちょうどこっちに向かうところっぽい!
今のうちに紛れて戻ろ!
「嵐くん帰……って、びっくりした…」
振り返るとすぐそこに嵐くんが立っていた。
なんの音もしなかったなぁ、心臓がさっきとはちがうドキドキを奏でる。
「……え」
顔が近づいてきて、またキスをしようとしてるのがわかる。
でもこんなドアの近くでしたら、
誰かに見られちゃうかもしれない。