佐々倉のカノジョ。
「名前は何て言うの?」
「西野璃乃です」
「可愛い~」
ユルユルのバカ面を晒すツルの左足を踏みつける。
ちなみにここは、この女のおすすめのカフェ。
お礼をしたい、とここに連れてこられたけど、正直場違いな気しかしない。
どこの席を見ても女だらけ。
「おふたりは…?」
「俺は鶴岡 和哉!コイツは佐々倉 嵐」
それを聞くと、突然璃乃はきょとん、とした顔になった。
「嵐さんって、彩佳の彼氏さんですか!?」
彩佳?誰それ?
今度は俺がきょとんとしていると、ツルが耳打ちをしてきた。
「ほら、先週の土曜にホテルで告られたろ」
「俺、OKしたんだっけ?」
「さぁ?俺酔ってたし」
女ってすぐ思い上がるからな。
一回好きって言ったら、コロッと態度変えるし。
付き合うとか、めんどくせぇな。
別にそのうち向こうから離れてくだろうけど。
「あ~、そうなんじゃん」
「やっぱり!聞いてた通りカッコいいですね!」
きらきらと目を輝かせて無邪気に言う璃乃。
なんか犬みてぇなやつだな。
「え、どこが?俺のほうがいいでしょ!」
「あはは、和哉さんもカッコいいです」