キミトノナツ……
「おはよーっす!」
教室全体に明るくてこの場に似合わない声。
「大空君……」
「中島、何があったんだ?」
中島さんは大空君に近付いていった。
「それがね──……」
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「蝉を殺した?まなみが?」
「そうなの……」
そっか。大空君と坂井さんはいとこって聞いたことがあるような……
「んー…俺、まなみと話してみるよ!」
「やめてっ!」
中島さんではない…声が響いた。
「楠木……?何でだよ。お前、苦しいんだろ?だから自由にしてやるって──……」
「いい迷惑よ!自分のことぐらい…自分で解決できるし…」
嗚咽と涙声が聞こえてきた。
楠木さんが泣いてる。
「分かったから、泣くなよ?」
優しく小さい子を宥めるように言う大空君。