恋をしようよ、愛し合おうぜ!
「一度だけだったんだよ!なつきさんがいなくて寂しくて・・・。大体、僕たち、もうだいぶ前から別々に寝てただろ。君は妻として、長い間僕の要求に応えてくれなかった・・・」
「そういうあなたは、私と交わした貞節の誓いを、見事に破ってるわよね」と私が言うと、夫は私に返す言葉もなく、シュンとうなだれた。
「別にあなたを責めてない。あなたが言うことも一理あるし」
「だったら・・・」と言いかけた夫を、私はまず手で制した。
「一理あるけど、だからと言って、生まれて来る赤ちゃんを私たちの子として育てるなんて、絶対したくない!いい?一度だけでも関係持ったんでしょ?」
「・・・ああ」
「で、その子は間違いなく、あなたの子なのよね?」
「・・・・・・ああ」
「だったらあなたが責任持ちなさいよ!」
「なつきさん・・・」
「とにかく、その子をあなたの子と認知するのは、私は全然構わないし、むしろそうすべきだと思う。それはあなたが取る責任の一つだから。だけどその子を私の子として育てることは、絶対しない」
夫に隠し子がいることが発覚した。
正確に言えば、相手はまだ妊娠中。
なんでも、4カ月ほど前、いつもマンションの掃除を頼んでいたお手伝いさんが、その日は体調不良で行けなくて、お手伝いさんの娘さんが代わりに行ったそうだ。
夫は、お手伝いさん同様、その娘さんのことも昔から知っている。
というのも、そのお手伝いさんは、夫が生まれてすぐの頃から、ずっと夫の家でお手伝いをしているそうだから。
そして、私より2つ年下の娘さんは、「夫のことがずっと好きだった」らしく、私と別居している間、夫が「とても苦しんでいるように見えて」、それが「とても辛くて」、「少しでも(夫の)苦しみを取り除いてあげたい」と思うようになって・・・。
わが身を捧げた、ということらしい。
ま、一応双方同意だから、そのあたりで夫が訴えられることは、まずない。
当の夫は、娘さんが妊娠したことを知ったのが、私に言った前日。
つまり、もう中絶できない時期になって、おなかが少し出てきた娘さんが現れた、と思ったら、いきなり「あなたの子です」と聞かされた、というわけで・・・。
その点は夫に同情しないこともないけど・・・自業自得と言えないこともないから・・・。
とにかく、これは夫にとって、非常に不利な状況になったということは、間違いない。
私はここぞとばかりに私の両親に来てもらうと、夫の両親も交えて、夫の実家で話し合いをした。
以前私が別居したとき、両親は私が悪いと言って責めたけど、今回は全面的に私の味方になってくれた。
「状況がどうであれ、守さんが外で子どもを作ったという事実は変わらないでしょう?それをなつきの子だと言って育てるなんて・・・あんまりじゃあありませんか」
「あなた方がその子を認知して育てることは、私も賛成です。ですがこのことは、なつきには関係ありません。 こうなったら、なつきとはキッパリ縁を切ってください」
「でも体裁が」
「体裁なんて言ってる場合じゃないでしょう」とお父さんは、義両親に向かって言うと、「守くん。諏訪家の体裁を気にするのなら、なつきとは別れて、そのお嬢さんと再婚すればいいじゃないか」と、諭すように夫に言った。
こうして、私と、私の両親の揺るぎない決意を、夫がようやく聞き入れてくれたのが、12月25日、クリスマスの話。
そして、必要書類をかき集めて署名・捺印を済ませ、役場に提出をして無事受理されたのは、それから3日後の12月28日、午前中だった。
「そういうあなたは、私と交わした貞節の誓いを、見事に破ってるわよね」と私が言うと、夫は私に返す言葉もなく、シュンとうなだれた。
「別にあなたを責めてない。あなたが言うことも一理あるし」
「だったら・・・」と言いかけた夫を、私はまず手で制した。
「一理あるけど、だからと言って、生まれて来る赤ちゃんを私たちの子として育てるなんて、絶対したくない!いい?一度だけでも関係持ったんでしょ?」
「・・・ああ」
「で、その子は間違いなく、あなたの子なのよね?」
「・・・・・・ああ」
「だったらあなたが責任持ちなさいよ!」
「なつきさん・・・」
「とにかく、その子をあなたの子と認知するのは、私は全然構わないし、むしろそうすべきだと思う。それはあなたが取る責任の一つだから。だけどその子を私の子として育てることは、絶対しない」
夫に隠し子がいることが発覚した。
正確に言えば、相手はまだ妊娠中。
なんでも、4カ月ほど前、いつもマンションの掃除を頼んでいたお手伝いさんが、その日は体調不良で行けなくて、お手伝いさんの娘さんが代わりに行ったそうだ。
夫は、お手伝いさん同様、その娘さんのことも昔から知っている。
というのも、そのお手伝いさんは、夫が生まれてすぐの頃から、ずっと夫の家でお手伝いをしているそうだから。
そして、私より2つ年下の娘さんは、「夫のことがずっと好きだった」らしく、私と別居している間、夫が「とても苦しんでいるように見えて」、それが「とても辛くて」、「少しでも(夫の)苦しみを取り除いてあげたい」と思うようになって・・・。
わが身を捧げた、ということらしい。
ま、一応双方同意だから、そのあたりで夫が訴えられることは、まずない。
当の夫は、娘さんが妊娠したことを知ったのが、私に言った前日。
つまり、もう中絶できない時期になって、おなかが少し出てきた娘さんが現れた、と思ったら、いきなり「あなたの子です」と聞かされた、というわけで・・・。
その点は夫に同情しないこともないけど・・・自業自得と言えないこともないから・・・。
とにかく、これは夫にとって、非常に不利な状況になったということは、間違いない。
私はここぞとばかりに私の両親に来てもらうと、夫の両親も交えて、夫の実家で話し合いをした。
以前私が別居したとき、両親は私が悪いと言って責めたけど、今回は全面的に私の味方になってくれた。
「状況がどうであれ、守さんが外で子どもを作ったという事実は変わらないでしょう?それをなつきの子だと言って育てるなんて・・・あんまりじゃあありませんか」
「あなた方がその子を認知して育てることは、私も賛成です。ですがこのことは、なつきには関係ありません。 こうなったら、なつきとはキッパリ縁を切ってください」
「でも体裁が」
「体裁なんて言ってる場合じゃないでしょう」とお父さんは、義両親に向かって言うと、「守くん。諏訪家の体裁を気にするのなら、なつきとは別れて、そのお嬢さんと再婚すればいいじゃないか」と、諭すように夫に言った。
こうして、私と、私の両親の揺るぎない決意を、夫がようやく聞き入れてくれたのが、12月25日、クリスマスの話。
そして、必要書類をかき集めて署名・捺印を済ませ、役場に提出をして無事受理されたのは、それから3日後の12月28日、午前中だった。