恋をしようよ、愛し合おうぜ!
8
そうして2日後の金曜日。
私の全身をザッと一瞥した野田さんは、一言「ちょう女」と言った。
「おはよう」の挨拶もなく。
・・・「ちょう女」って、「蝶女」?
それとも「超女」・・・ううん。
発音は「蝶」の方が近かった気がする。
「あのー。ちょう女ってどういう意味ですか」と言う私を、野田氏は完全無視して、受付嬢の佐藤さんに「訪問証発行して」と言った。
私の方は見てもいない。
こいつ・・・ムカつく!
とひとり憤慨している私を、もう一人の受付嬢・毛利さんが何となく笑い顔で見ている。
バカにされた。
と思ったら、毛利さんは素早く野田さんへと視線を移した。
そのウットリしている眼差しから、彼女は「野田ファンクラブ」の会員に違いないと推測する。
もしかしたら「会長」かもしれない!
と思っているうちに、野田さんが訪問証をくれた。
「ほらよ」
「ちょう女の意味が分からないんですけど」
「おまえは蝶か。ヒラヒラし過ぎだ」
「は?」
「シャツもスカートも、フリフリがいっぱいじゃねえか」
「はあ?フレアスカートのどこがフリフリなんですか」
「似たようなもんだろ」
「ぜんっぜん!」
と言い合いしているうちに、エレベーターが来た。
他にも乗る人が数名来たので、私たちは何も話さなかった。
・・・確かに、白いブラウスの前ボタンの両サイドには、縦二列にまんべんなくフリルがついているけど、濃紺の膝丈スカートはフレアだよ?
「ふんわり・軽やか」なら分かるけど、スカートまで「フリフリ」ってのは、ちょっと違うんじゃない?
と反論しようかと思って、やめた。
こういうことを議論するために、ここに来てるんじゃないし。
海外事業部の階で降りたのは、私たちだけだった。
そのままお互い無言でスタスタ歩いていると、野田さんから口火を切った。
「なっちゃんよ」
「はい?」
「次からはもう少し仕事らしい服着て来い」
「え?これのどこが仕事らしくないんですか」
「だからそのフリフリだよ!ここには遊びに来てんじゃねえぞ!仕事しに来てんだろうが!」
「分かってますよ!」
立ち止まってお互い睨み合うこと約5秒。
野田さんは鼻でフンと笑うと、「入れ」と言った。
・・・ブラウスもスカートも、一目ぼれして即お買い上げした、お気に入りの服なだけに、バカにされたみたいで悔しい。
それに、この服で企業の通訳の仕事をしたこともあるし、その時は何も言われなかった。
何かと難癖つけてくるのは、野田氏、あなただけですっ!!
海外1課へ行くと、花田さんから「そのブラウス可愛い!」と最初に褒められた私は、視界の隅でブスッとしている野田さんを確認しつつ、「ありがとう」とお礼を言った。
「それでいて清楚な感じで。大人可愛いです」
「そのフリルがいい」
「でしょー?」というガールズ&荒川くんの美意識を、野田さんは理解できないらしい。
野田さんはムスッとしたまま、「荒川。なっちゃんに通訳の文あげて」と、面白くなさそうな声で言った。
「あぁはいっ!えっと、俺は手書きじゃないだけど、プリントアウトしたほうがいい?」
「ううん。文書を開けてもらえれば、そこに入力していくよ」
「了解!」
荒川くんが端末ログインしてくれている間に、私は社外持ち出し禁止の分厚い用語辞典を取りに行った。
用語辞典は、海外事業部のみんなが使うので、フロアの真ん中の棚にある。
辞典を見つけた私は、それを取ろうと手を伸ばしたとき、一足先に大きな右手がそれを掴んだ。
くるっとふり向くと・・・思ったとおり、辞書を片手で持った野田さんが立っていた。
いつも以上にシトラスの香りがするのは、思った以上に近いから・・・?
「野田、さん・・・?」
「重いだろ。持ってやる」
「あぁ。どうもすみません」
野田さんは、分厚い辞典を軽々と片手で持っている。
私も片手で持てないことはないんだけど、やっぱり重たいから、持ち運び時は両手で持つ。
なんか、この人が持っているのは、辞典じゃなくて、ダンベルのように思えてくる。
普段ジム行って体鍛えてるのかなぁ。
私の視線を感じたのか、隣の野田さんが私を見た。
いつもの睨み目線で。
「なんだよ」
「え!っとー、運動してるんですか?」
「は」
「辞典を軽々と持ってるし。野田さんって体鍛えてそうな感じするし」
自分で言っておきながら、この会話をサッサと終わらせたいと切に願う、三好なつきであります・・・。
「20代の頃はジム行ってた時もあったが、今は全然行かねえなー」
「なんか・・・はるか昔を懐かしむ口調ですね」
「あ?俺は33だ。まだジジィじゃねえぞ」
「誰もそんなこと言ってないでしょ!」
だから、いい加減つっかかってくるのはやめてほしい・・・。
「おまえ見てると、箸より重たいものは持たないお嬢様って感じがする」
「なにそれ」
「高級ブランドの服とか巻き髪とかバッグとか化粧とか」
「父はごく普通のサラリーマンで、母は専業主婦。ごくごく普通の中流家庭で育った私は、お嬢様じゃないですよ」
今日着ている服だって、5年前に自分のお金で買ったもの。
そして今日持ってきているバッグだって、3年前、ボーナスが入ったときに、思いきって買った。
買うまで1年近く迷ったことも、手に入れたときの喜びだって、いまだに覚えている。
今私が持っているものたちは、手に入れてから今の生活まで、私と一緒に苦楽を共にしてくれている仲間だ。
それだけ思い入れもあるから、少しでも長持ちさせるべく、丁寧に手入れをして、大切に扱っている。
それをこの人は、見かけだけで判断しきっちゃって。
ホント、見当違いもいいとこだ。
でも、実際私は、「お嬢様」とか「派手な女」とか、そういう風に見られることが多い。
いちいち反論しする気はないけど・・・せっかく女に生まれてきたんだもん。
オシャレしたいって思うことは悪いことなの?
オシャレを楽しむことは、いけないことなの?
私なりの美しさを表現することを、野田さんにまで否定されたくないと強く思っていることに、私は気がついた。
だけどそんな個人的過ぎることを、この人に言うつもりはない私は、野田さんの存在を極力無視してパソコン入力に没頭した。
どれくらい時間が経ったのか。
不意にシトラスの香りがした、と思ったら、大きな手でポンと肩を叩かれた。
「なっちゃん、昼飯食っとけ」
・・・そしてこの低音ボイス。
野田さんのおかげで、集中力がブチッと途切れた。
「あぁはい」
もうそんな時間か。
でもここに来たのは11時だったし。
私は、目をパチパチ瞬きしながら、座ったまま背伸びをした。
「花ちゃん、なっちゃんと一緒に食うんだったら、茶ー用意してやって」
「お任せください!」
「いつもすみません」と花田さんに言ってるうちに、荒川くんがお弁当を持ってきてくれた。
「はい、幕の内弁当。って弁当はこれ1種類しかないんだけど」
「わ。でもこれ、まだあったかい!えっと、300円だよね?」
「うん。だけど野田さんからもらってるから」
「・・・え」
思わず野田さんを見ると、いつも通り睨み目線を返された。
いや、睨みたいのは私の方なんだけど!
と思っていたら、野田さんが私の方へ近づいて来た。
「金ねえんだろ。それくらい俺が奢ってやる」
「あ・・でも・・・」
「いいからしっかり食えよ。おまえは細すぎだ」
「な・・・」
野田さんが小声で言ったのは、周りに聞かれないようにという配慮なのか。
こういうところは気が利く。
さすが仕事はできる男。
でも通り過ぎ様、私の髪をグシャグシャっとかき回したのは癪に障るんですけど!
そんな私の不服視線などものともしない野田さんは、「荒川ー。社食行くぞー」と言いながら、スタスタ歩いて行く。
結局私は、野田さんの背中に、「ごちそうになります」とつぶやいた。
「・・・詳しくは言えないけど、まあ同じような感じで。後は知り合いの監督さんに頼まれて、映画を作る契約を結ぶために、ハリウッドへ同行したことも何度かあります」
「うわ、すっごーい!」
「なつきさんって芸能人に知り合いいるの!?」
「大学生の頃、バイトでモデルしてたんです」
「どーりで、なつきさんってオシャレだよねー」
「華やかな雰囲気あるからさー、芸能人って感じするし」
「今でも仲良くしている芸能人いる?」
「いますよ。昔CMに一緒に出演したモデルちゃんとか」
今ではみんな知ってる人気女優にまで成長したから、こういう場では名前出さないけど。
「うそっ!?CMって何の?」
「栄養ドリンクです。もちろん今は放映されてないですよ」
「すごーい!」と言う女子社員さんたちの声に、私の心に「またか」という気持ちが芽生える。
人は私のことを「人目を惹く華やかな雰囲気がある」とよく評するけど、私の人生20数年のヒストリーなんて、実際のところ大したことはない。
涙を誘うような、波乱万丈を乗り越えたわけでもない、ごく平凡な人生を歩む、ありきたりな女だと、私は思っている。
日本に帰国してから編入したクラスで、「帰国子女だから」「英語ができるから」「生意気だから」という理由でしばらくいじめに遭った。
私が出演した最初で最後のCMは、全国区放映だったとはいえ、私は「通行人その3」くらいの、名もない、いわゆるエキストラだったし。
162センチの身長じゃ、ショーモデルにも向いてない。
雑誌の専属モデルになれる才能もなかった。
結局、海外特派員になる夢も叶えられず・・・。
私って、何やっても中途半端で終わっている。
三好なつき、26歳。
いまだにもがきながら、人生の再構築をしている最中であります・・・。
私の全身をザッと一瞥した野田さんは、一言「ちょう女」と言った。
「おはよう」の挨拶もなく。
・・・「ちょう女」って、「蝶女」?
それとも「超女」・・・ううん。
発音は「蝶」の方が近かった気がする。
「あのー。ちょう女ってどういう意味ですか」と言う私を、野田氏は完全無視して、受付嬢の佐藤さんに「訪問証発行して」と言った。
私の方は見てもいない。
こいつ・・・ムカつく!
とひとり憤慨している私を、もう一人の受付嬢・毛利さんが何となく笑い顔で見ている。
バカにされた。
と思ったら、毛利さんは素早く野田さんへと視線を移した。
そのウットリしている眼差しから、彼女は「野田ファンクラブ」の会員に違いないと推測する。
もしかしたら「会長」かもしれない!
と思っているうちに、野田さんが訪問証をくれた。
「ほらよ」
「ちょう女の意味が分からないんですけど」
「おまえは蝶か。ヒラヒラし過ぎだ」
「は?」
「シャツもスカートも、フリフリがいっぱいじゃねえか」
「はあ?フレアスカートのどこがフリフリなんですか」
「似たようなもんだろ」
「ぜんっぜん!」
と言い合いしているうちに、エレベーターが来た。
他にも乗る人が数名来たので、私たちは何も話さなかった。
・・・確かに、白いブラウスの前ボタンの両サイドには、縦二列にまんべんなくフリルがついているけど、濃紺の膝丈スカートはフレアだよ?
「ふんわり・軽やか」なら分かるけど、スカートまで「フリフリ」ってのは、ちょっと違うんじゃない?
と反論しようかと思って、やめた。
こういうことを議論するために、ここに来てるんじゃないし。
海外事業部の階で降りたのは、私たちだけだった。
そのままお互い無言でスタスタ歩いていると、野田さんから口火を切った。
「なっちゃんよ」
「はい?」
「次からはもう少し仕事らしい服着て来い」
「え?これのどこが仕事らしくないんですか」
「だからそのフリフリだよ!ここには遊びに来てんじゃねえぞ!仕事しに来てんだろうが!」
「分かってますよ!」
立ち止まってお互い睨み合うこと約5秒。
野田さんは鼻でフンと笑うと、「入れ」と言った。
・・・ブラウスもスカートも、一目ぼれして即お買い上げした、お気に入りの服なだけに、バカにされたみたいで悔しい。
それに、この服で企業の通訳の仕事をしたこともあるし、その時は何も言われなかった。
何かと難癖つけてくるのは、野田氏、あなただけですっ!!
海外1課へ行くと、花田さんから「そのブラウス可愛い!」と最初に褒められた私は、視界の隅でブスッとしている野田さんを確認しつつ、「ありがとう」とお礼を言った。
「それでいて清楚な感じで。大人可愛いです」
「そのフリルがいい」
「でしょー?」というガールズ&荒川くんの美意識を、野田さんは理解できないらしい。
野田さんはムスッとしたまま、「荒川。なっちゃんに通訳の文あげて」と、面白くなさそうな声で言った。
「あぁはいっ!えっと、俺は手書きじゃないだけど、プリントアウトしたほうがいい?」
「ううん。文書を開けてもらえれば、そこに入力していくよ」
「了解!」
荒川くんが端末ログインしてくれている間に、私は社外持ち出し禁止の分厚い用語辞典を取りに行った。
用語辞典は、海外事業部のみんなが使うので、フロアの真ん中の棚にある。
辞典を見つけた私は、それを取ろうと手を伸ばしたとき、一足先に大きな右手がそれを掴んだ。
くるっとふり向くと・・・思ったとおり、辞書を片手で持った野田さんが立っていた。
いつも以上にシトラスの香りがするのは、思った以上に近いから・・・?
「野田、さん・・・?」
「重いだろ。持ってやる」
「あぁ。どうもすみません」
野田さんは、分厚い辞典を軽々と片手で持っている。
私も片手で持てないことはないんだけど、やっぱり重たいから、持ち運び時は両手で持つ。
なんか、この人が持っているのは、辞典じゃなくて、ダンベルのように思えてくる。
普段ジム行って体鍛えてるのかなぁ。
私の視線を感じたのか、隣の野田さんが私を見た。
いつもの睨み目線で。
「なんだよ」
「え!っとー、運動してるんですか?」
「は」
「辞典を軽々と持ってるし。野田さんって体鍛えてそうな感じするし」
自分で言っておきながら、この会話をサッサと終わらせたいと切に願う、三好なつきであります・・・。
「20代の頃はジム行ってた時もあったが、今は全然行かねえなー」
「なんか・・・はるか昔を懐かしむ口調ですね」
「あ?俺は33だ。まだジジィじゃねえぞ」
「誰もそんなこと言ってないでしょ!」
だから、いい加減つっかかってくるのはやめてほしい・・・。
「おまえ見てると、箸より重たいものは持たないお嬢様って感じがする」
「なにそれ」
「高級ブランドの服とか巻き髪とかバッグとか化粧とか」
「父はごく普通のサラリーマンで、母は専業主婦。ごくごく普通の中流家庭で育った私は、お嬢様じゃないですよ」
今日着ている服だって、5年前に自分のお金で買ったもの。
そして今日持ってきているバッグだって、3年前、ボーナスが入ったときに、思いきって買った。
買うまで1年近く迷ったことも、手に入れたときの喜びだって、いまだに覚えている。
今私が持っているものたちは、手に入れてから今の生活まで、私と一緒に苦楽を共にしてくれている仲間だ。
それだけ思い入れもあるから、少しでも長持ちさせるべく、丁寧に手入れをして、大切に扱っている。
それをこの人は、見かけだけで判断しきっちゃって。
ホント、見当違いもいいとこだ。
でも、実際私は、「お嬢様」とか「派手な女」とか、そういう風に見られることが多い。
いちいち反論しする気はないけど・・・せっかく女に生まれてきたんだもん。
オシャレしたいって思うことは悪いことなの?
オシャレを楽しむことは、いけないことなの?
私なりの美しさを表現することを、野田さんにまで否定されたくないと強く思っていることに、私は気がついた。
だけどそんな個人的過ぎることを、この人に言うつもりはない私は、野田さんの存在を極力無視してパソコン入力に没頭した。
どれくらい時間が経ったのか。
不意にシトラスの香りがした、と思ったら、大きな手でポンと肩を叩かれた。
「なっちゃん、昼飯食っとけ」
・・・そしてこの低音ボイス。
野田さんのおかげで、集中力がブチッと途切れた。
「あぁはい」
もうそんな時間か。
でもここに来たのは11時だったし。
私は、目をパチパチ瞬きしながら、座ったまま背伸びをした。
「花ちゃん、なっちゃんと一緒に食うんだったら、茶ー用意してやって」
「お任せください!」
「いつもすみません」と花田さんに言ってるうちに、荒川くんがお弁当を持ってきてくれた。
「はい、幕の内弁当。って弁当はこれ1種類しかないんだけど」
「わ。でもこれ、まだあったかい!えっと、300円だよね?」
「うん。だけど野田さんからもらってるから」
「・・・え」
思わず野田さんを見ると、いつも通り睨み目線を返された。
いや、睨みたいのは私の方なんだけど!
と思っていたら、野田さんが私の方へ近づいて来た。
「金ねえんだろ。それくらい俺が奢ってやる」
「あ・・でも・・・」
「いいからしっかり食えよ。おまえは細すぎだ」
「な・・・」
野田さんが小声で言ったのは、周りに聞かれないようにという配慮なのか。
こういうところは気が利く。
さすが仕事はできる男。
でも通り過ぎ様、私の髪をグシャグシャっとかき回したのは癪に障るんですけど!
そんな私の不服視線などものともしない野田さんは、「荒川ー。社食行くぞー」と言いながら、スタスタ歩いて行く。
結局私は、野田さんの背中に、「ごちそうになります」とつぶやいた。
「・・・詳しくは言えないけど、まあ同じような感じで。後は知り合いの監督さんに頼まれて、映画を作る契約を結ぶために、ハリウッドへ同行したことも何度かあります」
「うわ、すっごーい!」
「なつきさんって芸能人に知り合いいるの!?」
「大学生の頃、バイトでモデルしてたんです」
「どーりで、なつきさんってオシャレだよねー」
「華やかな雰囲気あるからさー、芸能人って感じするし」
「今でも仲良くしている芸能人いる?」
「いますよ。昔CMに一緒に出演したモデルちゃんとか」
今ではみんな知ってる人気女優にまで成長したから、こういう場では名前出さないけど。
「うそっ!?CMって何の?」
「栄養ドリンクです。もちろん今は放映されてないですよ」
「すごーい!」と言う女子社員さんたちの声に、私の心に「またか」という気持ちが芽生える。
人は私のことを「人目を惹く華やかな雰囲気がある」とよく評するけど、私の人生20数年のヒストリーなんて、実際のところ大したことはない。
涙を誘うような、波乱万丈を乗り越えたわけでもない、ごく平凡な人生を歩む、ありきたりな女だと、私は思っている。
日本に帰国してから編入したクラスで、「帰国子女だから」「英語ができるから」「生意気だから」という理由でしばらくいじめに遭った。
私が出演した最初で最後のCMは、全国区放映だったとはいえ、私は「通行人その3」くらいの、名もない、いわゆるエキストラだったし。
162センチの身長じゃ、ショーモデルにも向いてない。
雑誌の専属モデルになれる才能もなかった。
結局、海外特派員になる夢も叶えられず・・・。
私って、何やっても中途半端で終わっている。
三好なつき、26歳。
いまだにもがきながら、人生の再構築をしている最中であります・・・。